vol.327【まんば】

今月はまんばをご紹介しています。

12月に入って、まんばの葉がどんどん赤紫に色づいてきました。

赤い色はポリフェノールの一種、アントシアニンです。

寒さとともに赤み、つまりアントシアニンが増し、これがおいしさのサインにもなっています。

茹でると茹で汁は濃い紫色になって色素が溶け出し、まんばは緑色に仕上がります。

かつては「下茹で後に一晩水に浸けてアク抜きする」と言われてきましたが

最近のまんばは「昔ほどアクやえぐみが強くなくなった」、「長く水に浸けすぎるとおいしさや栄養価も流れ出てしまう」と、アク抜きの浸水時間を10分から1時間程度に短くする人が増えてきました。好みで調節してみてください。

下茹で後のまんばは、束ねてギュッと水を絞り、保存容器に入れておけば冷蔵庫で2−3日保存できます。

 

さて、今回は香川のソウルフード「まんばのけんちゃん」をご紹介しましょう。

味付けは少し甘めなど、家庭によって好みがあるものです。

ご紹介するレシピは、砂糖やみりんなどを一切加えない、さっぱりしょうゆ味です。「これならいくらでも食べられる」という声もいただきました。

 

<まんばのけんちゃん>

所要時間:15分(まんばの下茹で除く)

 

<材料>(まんば1束約4人分)

・ まんば…1束(5−6枚)

・ 油揚げ…1枚

・ 木綿豆腐…1/2丁

・ いりこだし…2/3カップ

・ しょうゆ…大さじ2

・ いりこ…3−4本

・ 油…大さじ1

・ 塩…ひとつまみ

 

<作り方>

下準備)まんばは大きめの鍋で5分程度茹で、10分〜1時間、たっぷりの水に浸けてアク抜きをしておく。木綿豆腐は水切りしておく。いりこは手で縦半分に割いておくと油にいりこのだしがよくなじむ。

1)あく抜きしたまんばの水気をよく絞り、1.5センチ幅に切る。油揚げは短冊切りにする。

2)鍋(または深めのフライパン)にいりことサラダ油を入れ、油に香ばしいいりこのだしを含ませる。

そこにまんばと油揚げを入れて炒める。

3)豆腐は手で軽くつぶして加え、ヘラでくずしながら炒める。

4)いりこだし、しょうゆ、塩ひとつまみを加え、味を含ませるように2−3分煮て、少し水分をとばしたら出来上がり。

 

出来立てはもちろん、一晩置いた翌日は味がよく染みて出来立てとは違うおいしさが味わえます。

甘めに仕上げたい場合は、しょうゆを大さじ2・1/2にして塩ひとつまみは入れず、さいごにみりん大さじ1を加えて仕上げてください。